ノン・タイトルな日々

会計学の座標軸

 受験勉強の合間を縫って、田中弘先生の「会計学の座標軸」を読んでいる。税理士試験の試験委員をされたこともある先生だが、著書には現行法や通説に批判的な内容が多い。その中で特に印象的だったのは(まだ読んでいる途中だが)この部分。

 雇用破壊の原因としては、不況があげられるが、不況は何も初めての経験ではない。最近でも何度か経験してきたが、しかし、今回のような大規模な雇用破壊を伴うことはなかった。今回の雇用破壊は、不況を克服しようとして取られたリストラ策に原因がある。各社がリストラ策として採用したが、人員整理・解雇・採用中止・採用形態の変更であった。では、なぜ、雇用破壊をリストラの中心に据えたのか、その答えが会計ビッグバンである。(2001年、156頁)

 具体的には、本場アメリカと違って我が国の会計基準としては適さない(アメリカ企業と比べて他社株式を大量に保有し、かつ、証券市場が小規模なため、手持ちの有価証券を時価で売却することはほとんど不可能)有価証券の時価評価基準を導入したことや、「確定給付制度」が主流の我が国に「確定拠出制度」のアメリカと同様の退職給付制度を導入したことを例としてあげている。

 これらは、簿記の勉強をしていれば必ず学ぶ制度だが、当たり前に覚えることとして学習している現行制度が多大な問題を含んでいるというのは何やら複雑な心境である。

 ま、そういう話は試験に受かってからしろ、ということになるんだろうが。

  1. 2008/05/10(土) 19:36:48|
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